先日、以下のような記事を見つけて読んだ。
この記事を読むだけで、「プレーリーカード」というサービスがどのような体験を提供してくれるのか(しようとしているのか)についてはよくわかったものの、
- サービスとして本当に提供してるものはなにか・その中身
- このカードを手にすることでユーザーは何ができるのか(そして何ができないのか)
- カード(NFCタグ)の読み取りをする端末(iPhone / Android)が補っている部分はどういうところなのか
......といったところが気になって仕方がなくなってしまい、気がついたらポチってしまっていましたw(2月中は2000円オフ、というキャンペーンが展開されていたのも大きい......w)
で、そのカードが昨日手元に届いたので、さっそくあれこれと試してみました!
開封の儀
一番外側の封筒。めちゃくちゃしっかりした硬い紙で、とはいえ分厚いわけでもなく、とてもいいものを使ってるんだな〜感がひしひしと伝わってきます。
その封筒の中に入っている、カードを固定するための台紙。これまた封筒に負けず劣らずの上質感。でも封筒とは違う紙......なのかな?
この写真でカードデザインがチラ見えしてますが、「新しい名刺交換」というコンセプトのサービスであるにも関わらず、僕は今回発行するプレーリーカードを、自分の運営しているWebサービス・Pixelaを紹介するためのカードにしようと思って、そのサービスロゴをあしらったカードにしてみましたw
黒がすげー黒ですごいな。。
読み取らせてみる
早速 iPhone でカードを読み取ってみると。以下の画像のような通知が表示されました。
なるほど。カードの中のNFCタグにはURLが記録されてる(だけ)なのかな?URLが書き込まれているNFCタグを読み込むとブラウザを開くサジェストをしてくれるのはiOSのデフォルトの動作だろうし、Androidでもきっと似たような動作をするんだろう。
通知をタップしてみると、以下のようなページが開かれた。
なるほど。このときのURLを見てみると https://my.prairie.cards/email_auth_passcodes/new?card_id=<card_id>&mode=register_new_card
というものだった。 card_id
は、その見慣れた形式的に UUID のバージョン4と思われる。
体験的には、カードを読み取ってこのURLに遷移しているけど、URLやユーザーフロー的に考えて、上記のURLがカードのNFCタグに記録されていたわけではきっとなく、初回読み取りだったら上記のようなURLにリダイレクトするようにしてありそう。(iPhone を見てる感じだとリダイレクトしてるようには感じなかったけど。)
メールアドレスを入力したらそのアドレス宛に4桁のコードが送られてきて、それを入力することでユーザー登録は完了。
以下のようなチュートリアルを挟んで(なるほど、NFCタグ読み取りに対応してない端末は普通にQRコードで読み取らせるのね)、
プロフィールページを作りましょう、というページに遷移する。
ボタンの下に「任意のURLを設定する」とあり、おそらくこれを利用すると、カードを読み取って開くときのページを任意のページ(自分のブログとか、自社のホームページとか)にできる、ということだと思うんだけど、ただこれを指定するなら、自分でNFCタグを買ってそれに任意のURLを書き込むのと同じことになっちゃいそう。裏を返すと、プレーリーカードは「いいかんじのプロフィールページを作らせてそれをホストするサービス」ってことだな。ということで今回僕も、プレーリーカード上でプロフィールを作ってみることにする。
こんなかんじのページが表示されるので、
こんな↓かんじで入力してみた。
透過PNGの表示に一抹の不安を覚える。w
各種リンクも追加できる。
Sansanのリンクもあったりして、改めて「人」のためのサービスであることを思い知らされる。w
そんなかんじでできたプロフィールページがこちら。
やっぱり!w 表示してる端末のダークモード設定を参照して背景色を切り替える、くらいはしてほしいし、なんなら自分のプロフィールページの背景色は選ばせてほしいぞ!w
まぁでもなるほど、次回にこのカードをかざしたときにはこのプロフィールページが表示される、ということかー。実際にやってみたらちゃんと表示された。このときのURLは https://my.prarie.cards/u/pixela
。
ちなみにこの画面をスクロールするとこんな↓メニューがあって、
マイページを開くと以下のような情報が確認できたりする。
「カードの読み取り回数」が見られるのはおもしろい。ちなみに、この設定をしたのとは異なる iPhone でカードを読み取らせたりしたあとに「このカードを読み取った人の履歴」ページを表示させてみたけど以下のようなかんじで、
もしかしたらここの部分にはリアルタイム性はないのかもしれない(もしくは壊れてるのかもしれない......)。
カードのなかのNFCタグを NFC Tools で読み取ってみる
ここからはちょっと好奇心で、意地悪な見方をしてみる。カードのなかのNFCタグに純粋に格納されているデータを、NFC Tools で読み取ってみた。というのも、ここまでのフローのなかでタグの中にデータを書き込んでる感じはしなかったから。
すると、 https://my.prairie.cards/cards/<card_id>
というURLが記録されていた。やっぱり、このURLが全ての起点で、ここから「初回登録のページ」や「登録済みのプロフィールページ」にリダイレクトしわけてるかんじだった。
感想
仕組み自体はなんてことはないもので、全然難しいことはしていない(たぶん一番難しいのは「好きにカードをデザインできる・そのカードを作って手元に届ける」というところだと思う)んだけど、「好きにカードをデザインさせる」というのと、本来は形のない情報であるURLに「自分が好きにデザインしたカード」という形を与え、手に触れることができるようにした、という組み合わせがとてもおもしろく、大きな魅力だなと感じた。こういう、既存の仕組みを組み合わせて新しい体験を提供するというの、大好きすぎるし、「このカードを手にする人の周辺の人大多数が NFC タグを読み取ることのできる端末を持っているはず」という見込みが十分に成立する世の中になった、というのも、このようなプロダクトを世に出せた背景にあるなーとも思った。こういうのは他にもありそう。
「他にもありそう」というのにしっかり気づいて、ちゃんとしたプロダクトとして世に出せたのは、「それをしっかりと "面白がれた" から」だと思うんだよなー。プレーリーカードの場合、この一連の体験を「新たな名刺交換の形」というパッケージングにしたのも、NFCタグをしっかりおもしろがった結果、というかんじがして、こういう "おもしろがり力" は自分も身につけたいと心底思う。。
今回、僕はもしかすると夢のないことをしてしまったかもしれないけど、こういう現実とインターネットの行き来をうまく・きれいに・気持ちよく演出しようとするようなこういうサービス、最高だなぁと思います。そして、さらにこれ以上のマネタイズをやっていこうという野心がプレーリーカードにあるのかどうか、みたいな下世話なところにも興味がいってしまう自分もいる......。w