昨日・7/26、【東京開催】Cybozu Meetup 西日本でのリモート開発事情 - connpass というイベントがあり、そこに参加してきた。
僕は出身が岡山県で、「いつとは言わずともいつかは地元に帰りたいなぁ」という気持ちはずっと持っているので、そういう意味では「西日本」というワードに惹かれたのもウソではないのだけど、今回参加してみようと思った理由はもうひとつあって、それが「リモートスクラム」というキーワードがconnpassページ内に見られたこと。僕は前職でスクラムマスターをやっていた経験があり、現職でも(スクラムチームには入っていないものの、)スクラムのプラクティスが活用されている・しかもリモート拠点でやっている、ということもあり、「スクラム開発」はいまだに僕の興味トピックのうちのひとつであり続けている。
connpassページにもあるとおり、榎原さんという大阪在住のWebアプリケーションエンジニアの方が「(サイボウズさん・kintoneチームでの)リモートスクラム」についてお話しをしてくださったので、この記事は主にそれのメモ。懇親会の場であれこれ質問をさせていただいたらひとつひとつご丁寧に回答いただいたので、それについても書いてます。
発表タイトル「kintoneとリモートスクラム」
- 榎原(えばら)さん
- kitoneチームは、スクラムマスター、アジャイルコーチ、テクニカルコミュニケーション、といった職種がいる
- 「テクニカルコミュニケーション」というのは、ヘルプやドキュメントの作成、UI上の文言を考えたりする人、らしい
- サイボウズ内では特に珍しい職種というわけでもないらしい
- エンジニアのバックグラウンドを持つ人もいればそうでない人もいるらしい
- LeSS というスクラムのフレームワークを使った開発をしている
- 大規模スクラムチーム向けのフレームワークらしい、恥ずかしながら知らなかった。。
- Q:チームが大規模だからLeSSを使っている? それとも、「リモートスクラム」に合っているからLeSSを使っている?
- A:前者。
- 4,5人くらいの規模のチームをいくつか作っていて、2ヶ月に一回くらいメンバーをシャッフルしている
- Q:大きめな機能開発とかが要因で、シャッフルすることをためらわれたりしない?
- A:しない。一人か二人かは知見を持った人が残るので。
- 幾分開発速度が落ちることもあるかもしれないけど、それよりも知見の共有という側面の方を重視しているんですね、みたいな話もした。
リモートスクラムでのスクラムイベントのやりかた
- リファインメント
- テレビ会議で懸念点や見積もりの議論をしている
- 議事録はkintoneを使って随時記録。誰でも見られるようにしている
- メンバー全員は参加しない。参加してはいけないわけではないけど、絞るようにしている・知りたい人はあとから議事録を読むことにしている
- スプリントプランニング
- ホワイトボードをテレビ会議で映す
- ホワイトボードを撮影してkintoneにアップ
- リモート用のカンバンはkintoneのブラウザ拡張で便利に
- デイリースクラム
- テレビ会議で前日と当日の様子をチームに共有
- kintoneを使ってカンバンを共有しながら話す
- 開発時間
- 拠点に関係なくモブプロをやることも多い
- 会議以外も常時テレビ会議を接続している
- リモートで軽い相談事を会議室なしで・立ち話的に相談できる
- スプリントレビュー
- PMの受け入れ確認はこの前に終わっていることがおおい
- ステークホルダーがたくさん集まるので、スプリント中に開発した機能の価値を説明する会にしている
- スプリントレトロスペクティブ
- テレビ会議でKPTについて議論
- Q:テレビ会議、しんどくない?聞こえにくかったりして、会話をあきらめてしまったりとか?
- A: skype、ポリコム、Googleハングアウト、いろいろ試したが、最終的にはシスコのテレビ会議システムで落ち着いた。画質や音質、とても良い。
- 最大限工夫はするが、投資で解決できるものならそれも考慮にいれたほうがいい。
- 「テレビ会議いまいちだからできるだけ少ない拠点に集めよう」みたいなことにはならないようにした
- A: skype、ポリコム、Googleハングアウト、いろいろ試したが、最終的にはシスコのテレビ会議システムで落ち着いた。画質や音質、とても良い。
- Q: テレビ会議で物理ふせんを写してやるとのことだが、見えにくくない?同期は?
- A: 見えにくさについても、シスコのテレビ会議システムでかなり解決した。ズームイン・アウトしやすい。
- 同期は物理ふせんがある側の人が頑張って同期している。オンラインのふせんはkintone。
- A: 見えにくさについても、シスコのテレビ会議システムでかなり解決した。ズームイン・アウトしやすい。
この「物理ふせんの同期」のところがとても気になっていて、あれこれ質問してみたのだけど、ちょっと僕の質問の仕方が悪かったなーと反省。「kintoneのようなオンラインツール」と「ある拠点にしかない物理ふせん」の両方で同じ情報を管理しようとしたときに、なにかしらのルール決めとか仕組み作りが必要だと思っているのだけど、そのあたりがもうちょっと知りたかったなー!
うちは自社製品ということもありオンライン情報共有文化が異常に根付いてるんですよ。実はこれがリモートがサクッとできる肝だったりします。
— Teppei Sato (@teppeis) 2018年7月26日
昔はオンラインに傾きがちでしたけど、だんだん物理の利点が体感として認められてきた感じですね
— Teppei Sato (@teppeis) 2018年7月26日
- Q: ホワイトボードを使ってあれこれやりはじめると、拠点ごとの情報格差が出たりとかは?
- A: ふせんと同じ情報はkintoneに入ってる、という状態をキープしている
- Q: ふりかえりでもふせん使ってやってたりする?
- A: ふりかえりはオンラインツール(kintone)だけでおこなっている。
感想
このイベントに限らず、いろんな媒体で見聞きする情報などから「きっと働きやすい会社なんだろうなぁ」とは思っていたけど、今回のイベントに参加してそれが実感として裏付けられた感じがある。トークしてくださった方も生き生きしていたし、おそらく自然発生的であろう社員の方々のイベントへの参加とか、雰囲気がとてもよかった。
内容、進め方、懇親会、お料理、コミュニケーション、全体的にとても素敵なイベントでした、ありがとうございました&ごちそうさまでした! #CybozuMeetup
— a-know | Daisuke Inoue (@a_know) 2018年7月26日
リモートスクラムについても、あれやこれやで工夫されている点がたくさんある、というのは前提として、ファシリテートスキルのある人が多いんだろうな・ファシリテートされる側にも「ファシリテートされよう」という意識がちゃんとあるんだろうな、という印象も受けた。あとシスコのテレビ会議システム、体験してみたい。w
大変素敵なイベントの開催、ありがとうございました!
以下、その他の方のトークを聞きながら取ったメモも載せておきます。どちらも素敵なお話しでした!
その他の方のトークメモ
働く場所の自由化。まずは西日本から
水戸さん、エンジニアリングマネージャー、スクラムマスター
- 東京
- 開発、運用、ビジネス、ほとんどすべての職能
- PM、デザイナーはほぼ東京
- 大阪
- 開発、ビジネス
- 開発系は10人
- 愛媛
- 開発、サポート、営業
- どこからでも働ける環境が整いつつある
- 水戸さんは7割在宅
- マネージメント、組織もかわりつつある
- 場所単位からチーム単位へ
- 住む場所が重要な人もいる
- エンジニアの働く場所の自由化
京都在住、時々大阪、アメリカ向け基盤開発
三苫さん
- 東京で働いてみたいと思ったこと?
- 勉強会はメリット
- 「自分の住んでる場所で不利になる職種だと思っていなかった」
- 1週間1スプリント。2,3人がスプリントごとにチームを組んで3チームほどになる。
- 水曜日に毎回ランダムにチームを割り振る
- リモートでの課題、ホワイトボードをもちいて設計を検討することがうまくできていないのが課題といえば課題