えいのうにっき

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読んだ:「ハッカーと画家」

よかった。本書の存在は以前から知っていたのだけど、Google が学校へ本を寄贈するプロジェクト の中にもこの本が名を連ねていることを知って、なぜだかそれが、今回この本を読むに至った直接のきっかけ。

edtechzine.jp

ちょっと息抜きするつもりで読み始めた本だったのだけど、過激で痛快で、それでいて人を動かすパワーを持つエッセイ集だなと思った。本書を読んで、「自分は決してハッカーではないな......」ということに確信を得ると同時に、この文章の端々から、どこか後押しを受けられたような気持ちにもされて。不思議だな、と思いつつ目を通した監訳者あとがきには「彼のメッセージは何かを創っている、あるいは創ろうとしている人に特に向けられている」と書かれていて、あぁ、とまた背中を押されたような気持ちになれた。ハッカーかどうかは別としても、何かを創る人ではありつづけたいと思っている自分にもパワーをくれる本だった。よかった。

読書メモ

はじめに

  • ソフトウェアの世界では革新が何よりも重要であり、革新と異端は実質的には同じこと(P.vii)

第0章

  • 軟らかいメディアでは大胆さが報われる(P.2)

第2章

  • 作家や画家は数学を羨んだりしない(P.27)
  • ハッキングには周期がある。ある時は新しいプロジェクトに夢中になり、別の時には何にも興味を持てない。良い仕事をなすには、この周期を勘定に入れておかなくてはならない。そうすることによって、周期にどう対応すればよいかが分かる(P.33)
  • ソフトウェアは、それを見ればすぐに使い方が分かるものであるべき。良いソフトウェアを書くには、ユーザがどれだけ何も知らないかということを理解する必要がある。ソフトウェアはそういう人が期待するように振る舞うべき。(P.35)

第3章

  • 頭の中では思いつく限り最もとんでもない考えを推し進める(P.50)

第5章

  • イデアが大事なのは、それがもっと多くのアイデアに結びつくから(P.73)
    • イデアをしまっておくことは、ただ単にそれの実装が遅れるだけでなく、それを実装することで得られたであろうすべてのアイデアを失うことになる。実際、アイデアを寝かせておくことは、新しいアイデアを得る邪魔にさえなり得る。

第6章

  • ほとんどのビジネスがやっていることは富を生み出すこと。人々が欲しがることをやるのだ。(P.97)
  • 仕事とは、会社の他の人々と一緒に平均化されつつ、人々が欲することをなすこと。(P.101)
  • 小さなグループによる仕事の価値は測れる。(P.103)
  • 一緒になにかをしようという人は優秀でなければならない。自分の仕事は彼らの仕事と平均を取られるわけだから。(P.104)

第7章

物質的にも社会的にも、技術は富める者と貧しい者の格差を拡げるのではなく縮めている(P.124) 収入の格差が拡がっても他の多くの格差が縮まっている。

第9章

第11章

  • 言語がゆっくりと進化するのは、それが本当は技術ではないからだ。言語は表記だ。プログラムは、コンピュータに解いてほしいと思う問題の正式な記述なんだ。(P.163)
    • 数学表記の進化に近いだろう。数学の表記はたしかに進化するが、技術の分野に見られるような巨大な飛躍はない。
  • 良い無駄と悪い無駄がある(P.165)
    • 良い無駄の方に関心がある。贅沢に使うことで、より単純なデザインが得られるような無駄だ。新しい、速いハードウェアのマシンサイクルを無駄に使えるというチャンスをどんなふうに利用できるだろう。
    • 少しでも便利にするために効率を犠牲にできるところがないかどうか、意識的に探さなければならない。

第13章

  • 数学は色褪せない。(P.189)
  • ソフトウェアは10人以下のチームで書くのが一番だってみんな知っているだろう(P.194)

第14章

  • 新しい素敵なものを考えだす発明家はしばしば見落とすのだが、人々にメッセージが行き渡るには時間がかかる(P.213)
    • 人々がその価値に気付くまで、何年も根気強くメッセージを繰り返すことを覚悟しておかなければならない。
    • 人々があなたに注意を払うのは、あなたがそこにいることに気付いたときじゃなく、あなたがまだそこにいることに気付いたときだ。(P.214)
    • 新しい技術にとって一番良いことは、最初に採用してくれる少数の人々によって2〜3年使われることだ。
  • どんな時でも、思った以上に変更はきくものだ。(P.216)

第15章

  • 大事なことは、特定のグループのユーザを対象とすること(P.220)
    • 良いデザインが出てきやすいのは、対象とするユーザがあなた自身を含んでいるときだ。
  • 科学的な思考は使う人にやさしいことを指向してはいない。(P.221)
  • 常に動くコードを持っていろ。(P.224)

第16章

  • 難しいのは問題を解くことではなく、どの問題を解くかを決めることだ(P.226
  • 問題を野心的な方法で再定義することで、それを面白いものにする(P.230)